2017年2月7日火曜日

中野佐世子氏ご講演 「心のバリアをはずして」

本日、寝屋川アルカスホールにて開催された、河北市議会議長会 合同研修会。
講師 中野佐世子氏は、NHK手話ニュースキャスター、手話通訳士でいらっしゃいます。「心のバリアをはずして」をテーマに、障がい者の方々のことを、正しく学び、合理的配慮を行う、すなわち、きちんと対応することで、暮らしやすい社会をつくる、ということについて、豊富な事例をまじえて、お話しいただきました。とても勉強になりましたので、ご紹介します。

◇障がいのある方々に関係する、マークを知ることから。

内閣府 障害者に関するマークについて
http://www8.cao.go.jp/shougai/mark/mark.html

静岡県 介護マークについて
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-210/chouju/kaigoyobou/kaigomark.html

介護中マーク

厚生労働省 マタニティマークについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/maternity_mark.html
マタニティマーク
このように、さまざまなマークがあり、これらを多くの人が知っている、理解していることで、合理的配慮を行うことに、よりつながるのではないでしょうか。

◇視覚障がいの方への配慮事例
・相手がほんとうに求めていることを、ききましょう。
・「名乗る」ことで、相手に安心感を。
・ご案内するときは、「クロックポジション」を活用
・子ども(チャイルドビジョン)、高齢者は、視野が狭い。
・色覚に特性のある人は日本人男性の20人に1人(女性は500人に1人)→配慮が必要
・視力の低下への配慮・・階段の一番下を明るくする、字体は明朝体よりゴシック体。

◇車椅子の方への配慮事例
・1センチ以上の段差で、移動に問題発生する。
・本当の障がいは目に見えないことも。【じょくそう、内臓圧迫、自律神経などさまざま】
・正しい知識を得ると、優しくなれる。

◇聴覚障がいの方への配慮事例
・手話、読話、筆談、空文字、身振り、補聴器・・相手が求めるコミュニケーション手段の確認を。
・補聴器は、雑音も拾う、方向や距離感もつかみにくい。静かな場所で、正面から大きめの声でゆっくりはっきり話す。

◇補助犬
・盲導犬、聴導犬、介助犬は、同伴できるパートナー。身体障害者補助犬法 (2003年10月施行)

◇その他
・100人おられれば100通り。障がいにもいろいろなケース在り。
・席を譲って「大丈夫です」と断られても、必ず理由があります。相手の気持ちを尊重
・障がい者とヘルパーがおられる時、「本人」に向いてお話ししましょう。

◇まとめ
障害者差別解消法は2016年4月より施行。障害者への「差別的取り扱い」と「合理的配慮をしないこと」が差別となります。
その「合理的配慮」をするためには、障害者(当事者)がどういう配慮を望んでいるか、事業者は負担のかかりすぎない範囲で、きちんと「対応する」ことが求められています。

いつ、どんな理由で、障がい者の当事者になるか、その可能性は誰にでもあります。正しく知って、相手の気持ちを想像し、尊重して、合理的配慮を行うことにより、私たちが暮らしやすい社会を私たちがつくっていくこと。

とても優しく、真っ直ぐで清々しいご講演でした。